nakayama-holinessのブログ

日本ホーリネス教団中山キリスト教会の公式ブログです。

2020年10月15日 祈祷会の学び

祈祷会の学びの動画です

 先ほど終了した、祈祷会の学びのライブ配信動画を、ブログでも提供いたします。

 


2020年10月15日 祈祷会の学び

 

エリフの弁論の謎

 10月15日の中山教会の聖書通読箇所は、ヨブ記35章です。35章は、32章から突然始まる、エリフという若者(年齢は不詳)の発言の一部です。

 エリフは、32章から37章にわたって、畳み掛けるように4回の弁論を展開します(第1回:32-33章、第2回:34章、第3回:35章、第4回:36-37章)。この中で語られる内容は、単純に、ヨブを論駁しようとする攻撃的なもので、ヨブの苦しみに対する共感は一切見られません。第3巡目の討論の最初に、エリファズが、実際にはそうでないことを知っていながら、ヨブの具体的な罪をあげつらうことで偽証をし(22:5-11)、それに対応するように、ヨブが自分の過去の潔白さを主張した(29章)ことを先週確認しましたが、そのやり取りに照らして見て、エリフの発言が、他の三人の友人たちと同じくヨブについて正しいことを語っていない、という印象を受けます。この点は、サタンに対してヨブの正しさを自慢した神の姿を描く「枠物語」の記述(1:8; 2:3)からも、確定されます。読んでいる私たち「読者」は、この枠物語に導かれて、エリフの発言を、正しくないものとして読むように導かれるのです。(もちろん、表面的には、神の知恵が優れていることなど、「正しい」ことも数多く語ってはいますが…。)

 結論としては、先週と同じ、ということになります。エリフもまた、苦しむヨブに寄り添うよりも、「罪人→罰/義人→祝福」という視点から、ヨブを一方的に攻め立てることに終始している、ということです。ところどころ、エリフはヨブの主張を捻じ曲げたり誇張しているようですが、この点も、私たちが日常的に経験している人間の悪い側面が表されているようです。物事を、自分に都合の良いように聞き、理解する傾向は、いつの時代にも変わらない人間の罪深さの表れなのでしょう。気をつけたいものです。  次週は、いよいよ神のヨブに対する「答え」と、それに対するヨブの応答、さらに、最後の結末を述べた「枠物語」の後半を見ます。一体、神の「答え」が、これまでヨブが切々と訴えてきた問いに対して、どのように/どのような意味で「答え」になっているのか、ヨブがどのように、神の「答え」に納得したのか、確認できれば、と思います。

宗教法人日本ホーリネス教団中山教会・ 〒273-0024 千葉県船橋市二子町604-1・ 牧師:河野克也 Katsuya Kawano